接客業

旅館辞めたい・・・実際に辞めた体験談とおすすめの転職先をご紹介!

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旅館で働くのって、最初は憧れですよね。

綺麗な旅館でフロントスタッフとして、お客様に最高のおもてなしをしたい。

仲居として、お部屋案内やお食事提供を通じてお客様と深く関わり、笑顔で帰ってもらいたい。

最初は誰だって、そういう具体的な、あるいは漠然とした憧れを持って旅館に入ると思います。

ですが、蓋を開けてみてびっくり。

旅館で働くのって、めちゃくちゃ大変だった!ということがほとんどだと思います。

お気持ちお察しします。

今回は、そんな大変な旅館で働いていて、もう辞めたいと思っているあなたに、実際に辞めた体験談や対策方法、おすすめの転職先をご紹介します!

旅館スタッフを辞めたい!実際に辞めた理由と体験談

では早速ですが、正社員で旅館スタッフだった私が、旅館を辞めたいと思った理由と、実際に辞めた体験談からお話ししていきますね。

結果的には、辞めた今とても幸せな毎日を送っていますし、辞めて本当に良かったと思っています!

詳しく解説していきますね。

理由その1:私はフロントスタッフでしたが・・・フロントとは名ばかりの何でも屋さん

そもそも私は、ホテルや旅館のフロントスタッフをやりたくて、その求人も常に狙っていました。

接客が大好きで、お客様の事が大好き。

いつどんな気分でも仕事となれば笑顔を保てる。

その特性を活かせて、特に上質なサービスができそうなホテルや旅館のフロント業務がやりたかったのです。

そして、晴れて当時勤めていた旅館のフロントスタッフとして、正社員で採用されました。

立ち仕事には慣れていて大丈夫だと思いましたし、頑張ろうと張り切りました。

しかし、私を待っていたのは、フロント業務とは名ばかりの、何でも屋さんだったのです!

入社半年後には、一応メインの仕事はフロントにはなっていましたが、まず覚えさせられたのは喫茶業務。

喫茶は苦手で避けてきたのですが、求人欄には喫茶のことなど一言も書かれていませんでした。

そして、売店の在庫管理や棚卸まではまだ良かったのですが、玄関に立ち、お客様が来たら駐車場まで走って誘導に行ったり(上り坂です)、更には真夏でも真冬でも駐車場に立ちっぱなしで整備をしたり、全館を駆け回ってお部屋チェックをしたり・・・

私の想像を超える仕事内容と必要体力に翻弄される日々の始まりでした。

理由その2:お客様次第で伸び放題の勤務時間にサービス残業

入社してから1年くらいは、8時から18時定時の勤務でした。

そして休憩時間は1時間。

雇用契約書には実働8時間と書かれていましたが、どう考えても9時間労働です。

最初私は、残りの1時間は残業扱いということなのだろうなと解釈をしました。

そんなそもそも長い定時設定ですが、定時に帰れたことはほとんどありません。

まず、お客様が全員到着しないと帰れないのですが、お客様は普通に渋滞などで遅れたりしますよね。

そして到着が19時を回り、その後帰ろうと思った時に喫茶にお客様が来たら対応する人が私以外いなかったので、対応します。

すると平気で20時になったりしていました。

入社1年後に遅番になって、11時から21時までの勤務になりましたが、Barにお客様が入ったら対応する人が私しかいなかったので、お客様がお酒を飲み続けると22時半まで帰れない時もありました。

そしてその全てが、サービス残業です。

長時間労働で体調を崩して休んだりしたらきっちりその分はお給料から引くのに、残業や休日出勤は全くの無視。

毎月55時間以上サービス残業をしていました。

理由その3:駐車場や旅館全館を駆け回り続ける激務に心身共に限界が・・・

そんな伸び放題の長い勤務時間でも、もう少し体力を温存できたらマシだったでしょう。

しかし、休憩もほとんど取れず、毎日10~11時間、「走り回りっぱなし」だったのです。

昼食のお客様を受け入れる時、玄関と駐車場(しつこいですが上り坂です)を何度も何度も走って往復する必要がありました。

雨だろうが真夏だろうが真冬だろうが変わりません。

そうして走り回った後は、外からのお客様対応に、日帰り入浴の受付や、お土産のレジ、喫茶の対応、チェックアウトやお見送りなどで、広いロビーを(走ってはいけないので)早足でとにかく行き来します。

お客様が帰る頃には、お部屋チェック担当であれば全部屋を大急ぎで走り回ってチェックし、終わる頃には宿泊のお客様が到着されるので、またお客様対応で全館を駆け巡ります。

そしてお客様が着き終わる頃には19時を回り、残るのは耐え切れないほどの疲れと、大量に残った事務作業に喫茶対応・・・まだまだ帰れません。

私は次第に心身共に追い詰められて、出勤前や仕事中、退勤後に涙が出るようになったり、頭痛や目眩に悩まされ、家に帰ったら疲れすぎて自宅の階段も登れない状態にまでなりました。

これって同じ人生なの!?実際に辞めて、今めちゃくちゃ幸せです!

旅館に勤めていた頃は、毎日泣いていました。

出勤前に涙が出て、仕事中は一人の空間になったら勝手に涙が出て、退勤した瞬間も涙が出て・・・

パニックになりそうになったり、絶望感に襲われたりもして、精神安定剤を飲みながら働いていました。

限界が来ても、何度も振り切って頑張っていたのですが(辞めたら終わりだと思っていた)、限界を振り切るのにも限界が来て、周りにも退職を促されたので、意を決して辞めました。

旅館に苦しめられてから、ずっと憧れだった在宅ワーカーになる決意をしたのです。

今は在宅でお仕事をしていますが、旅館に勤めていた時と同じ人生だと思えないくらい幸せです。

当たり前だと思っていた鉛のような体の重さも感じないし、電池が切れたように眠る事しかできなかった休日には、家事をやったり出掛けたりできるようになりました。

旅館に勤めていた時には、自分は幸せだと頭で言い聞かせていましたが、今は心から毎日幸せだと感じています。

正社員ではありませんし、もちろん収入も大幅に減りましたが、こんなに心穏やかに生きられる人生を知ったのですから、勇気を出して旅館を辞めて本当に良かったと、心から思っています。

山ほどある!旅館が大変なポイント

旅館で働く上で大変なことって、本当に数え切れないほどありますよね。

どの仕事ももちろん大変ですが、旅館はお客様に一晩を通して楽しんでもらい、満足していただく必要があります。

同じ宿泊業であるホテルよりももう少しお客様と密接に、それでいて高いサービスを提供しなければいけません。

そこで、旅館で働く上で、「ここが大変だ!」と言えることをピックアップしてみました。

フロント編その1:何もかも私に言わないで!と叫びたくなるほどクレーム窓口として扱われる

フロントに立っている人間は、当然ながらその旅館の顔になります。

そして、お客様と旅館を繋ぐ大切な架け橋にもなっています。

それと同時に、カウンターに立っているだけで、様々なクレームを言われる運命も背負っています。

「ベッドの部屋が良いと言っていたのに、和室だったんだけどどういうことだ!」(事務所のミス)

「〇〇のことについて電話を待っていたのに、電話が無かったんだけど!」(事務所のミス)

「お風呂にいたら、海から見てくる人がいるんだけどどういうこと!?」(旅館関係無い)

「お風呂で騒いでいる人がいて、迷惑なんですけど!」(どうしようもない)

などなど・・・。

フロントスタッフが悪くない事でも、旅館に責任があることは全て、物凄い形相で言われます。

もちろん連帯責任ですし、クレームを聞くのも仕事の内ですので誠意を込めて謝罪しますが、自分が悪くないことで何度も怒鳴られるのは辛いですよね。

中には旅館側がどうしようもないことで怒鳴って来る人も多く、「私はクレーム窓口じゃない!」と叫びたくなります。

フロント編その2:大量の事務作業があるのにお客様相手優先なので仕事が全然終わらない

フロント業務に独特のことだと思うのですが、お店のようにお客様を相手することが仕事の多くを占めている販売などのサービス業に比べて、フロント業務は、大量の事務作業を抱えながらもお客様を最優先に動く必要があります。

お客様のチェックアウトのために早く伝票の準備や集計をしなければいけず、一秒だって時間は無いのに、「すみません」と呼ばれたら事務作業を放ったらかして飛んで行かなければいけません。

宿泊のお客様が来るから早くチェックインの準備をしなければいけないのにお客様対応で全然できないし、夜だってパソコンで大量のチェックイン処理をしながら、お客様対応が入る度に中断です。

普通の事務職並みに事務作業があるのに、常にお客様の目に晒された場所で立って行っているし、もちろんお客様が優先なので、中々終わらないんですよね。

結果的に残業を重ねているのに、残業していることで更にお客様対応も増えるので、さすがに大変です。

仲居編その1:1日14時間ぶっ通し!?長すぎる勤務時間

旅館に勤める仲居さんに多い、いわゆる「たすき掛け勤務」は、朝食対応のために6時から10時頃まで出勤をして一度中抜け休憩を取り、また14時or15時頃から22時頃まで働くという勤務です。

中抜けがありますが全体の拘束時間は長く、休んだ気もしないので、仲居さんが集まりにくい原因にもなっている勤務形態ですね。

この勤務が、私の旅館ではぶっ通しになっている仲居さんもいました。

人手不足のために、中抜けできないのです。

そのため、1日14時間、休憩も無しに働く日も多々あったようで、かなり大変そうでした。

同じように長時間勤務に苦しむ仲居さんは多いと思います。

仲居編その2:お食事会場で発生する数々のトラブルに対応

仲居さんの大きな仕事と言えば、やはりお食事会場でのお食事提供ですね。

お客様も、温泉とお部屋に続き最も楽しみにしている要素の一つなので、大切な場面です。

しかしお食事会場では、様々なトラブルが発生します。

 

  • アレルギー食品を言っていたのに調理場のミスで出てしまう
  • 塩釜の火を点け忘れてしまう
  • 食事提供が遅いとお客様が怒ってしまう

 

などなど、多くのお客様が集まりますし、調理場や裏方など、多くの手によって食事が準備されますので、どうしてもトラブルは発生しがちです。

そして、そのトラブルのほとんどを、まず仲居さんが直接対応する必要があります。

忙しくお食事会場を駆け回りながら、トラブル対応をする力も必要ですので、大変です。

旅館を辞めたい時の対策方法

では、旅館なんて大変だからもう辞めたい!と思った時、どうすれば良いのかその対策方法をご紹介します。

基本的には、その旅館内で改善を図ってみて、それでもダメなら転職をするというのがおすすめです!

上司に相談して勤務時間・休日のコントロールをしてもらう

長時間労働が続いていて、今の勤務時間ではもう心身共にもたないと思ったら、上司に勤務時間の変更してもらえないか相談してみましょう!

私は、8時から出勤して夜遅くまで帰れず、10~12時間労働となってしまって体力的に限界だったので、上司に相談して遅番にしてもらいました。

それでも残業はありましたが、遅い時間に残業が発生する方が少なかったので、当時は結果的に少しでも楽になりました。

また、9連勤や10連勤にもなって休めないという人も、思い切って上司に相談してみましょう。

言葉にしてSOSを伝えたら、案外改善してくれることもあります。

とても上司に相談できないという場合は、連勤にならないように、自ら休み希望をバランス良く配置するというのも一つの手です。

部署を変えてもらう

今の部署がきついのなら、変えてもらうのも得策です。

例えば同じ旅館でも事務職なら、それほど立ちっぱなしになったり何時間も残業になったりということも少ないですよね。

体力だけがきついという場合は、そういう方法もあります。

ですが、事務所の人も積極的に外へ出てお客様対応を手伝っているという旅館であれば、この方法はおすすめできません。

事務職になっても、外の仕事ができる人間は積極的にお客様対応に回される可能性が高く、状況はほとんど変わらないという結果になる恐れがあるからです。

従業員の待遇が手厚い他の旅館に転職する

同じ旅館でも、旅館によってかなり従業員の待遇が違います。

私がいた旅館のように、サービス残業やボランティアな休日出勤をさせられるところばかりではなく、従業員のために休館日を設けたり、きちんと勤務時間も短く区切ってあるところだってあります。

同業種で、期間を定めて禁止されている場合もあるので一概には言えませんが、その場合でも一度退職して、期間が満了したら待遇が手厚い旅館に転職することは可能です。

旅館の仕事が好きであれば、従業員の待遇が手厚い旅館でぜひ活躍しましょう!

異業種に転職する

もし、もう旅館はこりごりだ!と思っている場合は、異業種に転職しましょう!

旅館の仕事は本当に大変なので、異業種に転職したら思いの外楽しめる可能性が大きいですよ。

フロントスタッフとして働いていたのなら、接客スキルやパソコンスキルをアピールできますし、仲居さんをやっていたのなら、お客様と密接に関わる接客スキルをアピールできます!

有名な旅館なら話題に上ることも多いですし、旅館から異業種に転職するのは楽しいですよ。

旅館スタッフにおすすめの転職先

では異業種に転職する場合、具体的にどのような転職先を選べば良いのか、おすすめの転職先をご紹介します。

サービス業はもちろんのこと、事務職も良いですし、在宅ワークもおすすめですよ!

接客が好きなら小さめの販売店でサービス業

旅館で働いていたということは、接客が大好きであることが多いですよね。

そして、転職しても次も接客をやりたいと思っている場合は、小さめの販売店などに転職するのがおすすめです!

接客が好きなのに旅館を辞めたいと思ったということは、旅館の大変さや体力面・精神面できつかったということですよね。

それなのにまた大きなショップのスタッフや、高度なおもてなしを要するテーマパークやレストランのような所で働いてしまっては、同じ結果になりかねません。

自分が旅館の何にしんどさを感じたのかをしっかりと見極めて、同じストレスを感じることが少なそうな所へ転職しましょう!

パソコンも使えるし接客に疲れたということなら事務職が最適

もう接客はちょっと疲れたな・・・という場合、パソコンが使えるなら事務職が最適です!

事務職に就いたら、きっと一日中座ってパソコンで作業することや(座り仕事のしんどさもありますが走り回るよりは楽だと感じるはずです)、お客様対応で中断する必要も無く事務作業に集中できることを、ある程度楽だと感じるはずです。

いつどれくらい来るか分からないお客様に怯えることもなく、サービス業特有の常に人目に晒される感じも味わわずに済みます。

完全に事務職でなくても、英会話教室の受付スタッフや、自動車教習所の受付スタッフのように、事務職でありつつもお客様対応ができる職種もありますので、完全に事務職はちょっと・・・という場合にはこういう職種もおすすめですよ。

しばらく外で働けないほど疲れたのなら在宅ワークがおすすめ!

転職というより、何だかもう疲れすぎている場合や、長時間労働・激務によって心身問わず調子が悪くなってしまっているという場合には、在宅ワークがおすすめです!

在宅ワークと言っても、色々あります。

 

  • 在宅勤務を採用している企業に転職し、正社員や契約社員、アルバイトとして在宅で働く
  • プログラムやWebデザインなどの専門スキルを有している場合は、企業に転職して在宅で働くか独立して仕事を受注する
  • 雇用契約を結ばずに、業務委託で仕事を受注して働く
  • クラウドワークスやランサーズなどのクラウドソーシングサービスに登録して、フリーランスとして在宅で働く

 

などなどです。

一般的なのは、在宅勤務を採用している企業に転職して在宅で働くことでしょうか。

在宅勤務の正社員の募集は意外とあるので、自分に合った企業を探してみましょう。

企業を受けたりするのもちょっとしんどいなという場合は、Webライターを始めるのがおすすめです。

Webライターは専門スキルの必要のない仕事ですし、クラウドソーシングサービスに登録してすぐに仕事を始めることができます。

最初は多くの収入を見込めませんが、本気で取り組んで経験を積み、生活費を稼ぐことを目指しましょう!

まとめ

旅館で働くのがしんどいという気持ち、痛いほど分かります!

私も、長時間労働に苦しめられ、一日中走り回る激務に追い詰められて、旅館を辞めて在宅ワーカーになりました。

在宅ワーカーとして働いている今、旅館にいた頃と同じ人生だと思えないくらい幸せです!

今旅館で働くのが辛くて辞めたい場合は、一応今いる旅館で改善を図りましょう。

転職にはリスクが伴うので、少しでも後悔しないために、今働けている場所でどうにかならないかやってみてください。

それでも改善されない場合や、そんなことやる気力も無いし、とにかく辞めたいんだ!という場合は、転職しましょう!

それほど大変な思いをして旅館で働いているなら、きっと良い転職先に巡り合えます。

とにかく行動して、その辛い気持ちから一日でも早く解放されてくださいね!

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