ヘルプデスクの仕事
向いている人は、変化し続ける人。
向いていない人は、好奇心旺盛な人。
私はそう考えています。
この記事は、次のような悩みがある方に向けて書きました。
ヘルプデスクがつまらない!
ヘルプデスクを辞めたい!
ヘルプデスクに向いているか、不安。
実は私も、過去に似た感情を持ち、最終的には転職しています。
この記事を読むことで、客観的な視点で、ヘルプデスクの向き・不向きを考えることが出来ます。
仕事の悩みや不安。それらの解消のヒントにしてもらえればと思います。
ぜひ、楽な気持ちで、読み進めてみてくださいね。
<この記事の信頼性(私のプロフィール)>
- 30代、男性
- 約7年間、情報システムのヘルプデスク業務を経験
- 年間、約3,000件、お客さまからの問い合わせに対応
- 50施設、約100人を超えるヘルプデスク担当者との繋がりを持つ
- 役職は、主任、マネージャー。部下の育成も担当
ズバリ!ヘルプデスクに向いている人
初めに、ヘルプデスクに向いている人は、変化できる人と書きました。
「ヘルプデスクはお客さんの課題を解決する仕事。お客さんの課題は常に変化する。だから、常に課題解決できるように、能力を向上し続けられる人は、ヘルプデスクに向いている。」
というのがその理由です。
ヘルプデスクの仕事の特性を考えると、これ以外にも向いている人がいます。
情熱をもって、働いている人
ヘルプデスクの向き不向きを考える上で、重要な資質です。
言い換えると、やる気があるかどうかです。
ヘルプデスクの仕事は、経験を重ねる内に慣れます。
よほどの専門性が求められない限り、未経験からのスタートであっても大丈夫です。
ですが、慣れていくうちに、情熱を失ってしまう人がほとんどです。
やる気を持ち続け、お客さんの課題に前向きな気持ちで向き合える人は向いています。
課題解決にやりがいを感じる人
ヘルプデスクは、課題解決の連続です。
実際に、私が一日にこなした課題です。
<お客さんからの問い合わせ>
栄養部で使っているエクセルのマクロが正常に機能しない
バッチファイルのデータ処理が正常に行われない
アプリの画面表示に時間が掛かっている。原因を教えて欲しい。
アプリにこの機能を追加したい。保守料内で対応可能なの?
帳票が文字化けする。原因は?
早ければ数分。時間がかかる案件であれば、数日かけて解決します。
さらに、緊急性が高ければ、現場直行です。
課題解決を楽しめる人は、間違いなくヘルプデスクに向いていますよ。
スキルマップを意識する人
ヘルプデスクは、サービスがある限り、需要があります。
今は、情報を即座に入手できる上に、変化のスピードが増しています。
ネットで調べれば分かるような知識しか有していない人は、お客さんに見切りをつけられます。
お客さんに役立つ情報を常に収集し、分かりやすく伝える技術を磨き続けることは、ヘルプデスクにとって必須です。
なので、扱っているサービスに関する知識はもちろんのこと、関連する様々な知識を学び、自分のスキルマップを意識できる人は、ヘルプデスクに向いています。
会社の視点で考えられる人
ヘルプデスクは、ビジネスの一環です。
経験が浅いころは、出来る限りお客さんの課題を解決したい!と考えがちですが、サポート範囲は決まっています。
自分の意思で、お客さんに過剰サービスをしてはいけません。
私は新人のころ、独断でサービスをし、大失敗を犯しました。
あるお客さんから、次のような問い合わせを受けた時のことです。
アプリの動作が遅い、業務に支障をきたしているので、プログラムを改修して欲しい。
このお客さんを担当した私は「分かりました、治します」と回答。
実は、その改修、1ヶ月もかかる規模の大きいものだったのです。
当然、保守外。別に費用を頂き、対応すべき案件でした。
上司に相談しましたが、時すでに遅し。お客さんに回答した以上、私が責任をもって担当することになりました。
お客さんへの過剰サービスの典型的な悪い例です。
このように、会社視点が抜け落ちた自己判断での作業は、決してやってはいけません。
会社の視点とお客さんへのサービス。
この両方をバランスよく考えられる人は、ヘルプデスクに向いています。
お恥ずかしい話、私はマネージャーになるまで、ずっと出来ていませんでした。
ズバリ!ヘルプデスクに向いていない人
初めに、ヘルプデスクに向いていない人は、好奇心旺盛な人と書きました。
「ヘルプデスクは、繰り返しお客さんの問い合わせに対応する仕事なので、やがて飽きる。だから、飽き症で、新しいことに興味が湧く好奇心旺盛な人は、ヘルプデスクに向いていない。」
というのがその理由です。
ですが、ヘルプデスクの仕事の特性を考えると、これ以外にも向いていない人がいます。
一人で黙々と作業したい人
ヘルプデスクは、お客さんと向き合う仕事です。
エンジニアやデザイナーのように、じっくりと作品を仕上げていく仕事ではありません。
スポーツ選手や芸術家のように、表現する仕事でもありません。
電話やメールなどで、常にコミュニケーションを取り、淡々と作業をこなしていきます。
一つの物事に熱中したい人には、ヘルプデスクは向いていません。
怒りやすい人
クレームへの対応は、ヘルプデスクの大切な仕事です。
緊急性の高いクレームほど、お客さんは怒っていますし、焦っています。
お客さんの感情に共感しながらも、迅速に対応することが大切です。
口論になる性格の人は論外です。
私がヘルプデスクをしていた頃にあったクレームです。
<実際のクレーム(病院のヘルプデスク)>
いつになったら復旧するの?
画面の起動が遅すぎるんだけど!
アプリがフリーズする。診察が出来ない!
なんでこの機能が無いの?
帳票に出力されるデータ、実際の件数と合わないよ?
ヘルプデスクは、毎日クレームがあることを覚悟するべきです。
怒りやすい人は、ヘルプデスクに向いていません。
ですが、仮にクレームがあったとしても、強い口調で言う人はごくわずかです。
お客さんのほとんどは、こちらに配慮した口調で言ってくれます。
年収にこだわりのある人
ヘルプデスクの年収は、他業種と比べると、さほど高くはありません。
年収をどんどん上げていきたいと考えると、その内、限界に気づきます。
ですので、年収にやりがいを求める人は、ヘルプデスクに向いていません。
具体的な年収は、こちらの記事で書きましたので、気になる方は参考にして下さい。
ヘルプデスクを辞めたい。職場のストレスと将来性、転職した実例を紹介【経験談】
仕事中、スマホゲームをする人
嘘のような話ですが、実際にいます。
仕事中にスマホゲームをする人が。
もちろん、あからさまにやると周りにバレますので、トイレの個室内でやるケースが多いです。
ヘルプデスクは、時間の融通が効きやすい仕事です。
やる時間はとりやすい環境です。
テレビCMなどでは、仕事中にスマホゲームをする映像が流れることがありますが、NGです。
メンバーの士気を下げますので、絶対に辞めましょう。
補足しますが、昼休みなどの休憩中はやって大丈夫ですよ。
【断言】向いていないのでは・・と心配する必要なし
私自身、長年、ヘルプデスクとして働いていました。
また、100人を超えるヘルプデスクの方と交流を持ちました。
その経験を踏まえ、断言します。
ヘルプデスクに向いている人は、かなり少ないです。
向いている人は、変化し続ける人。
そして、仕事がら、変化し続けることが難しいからです。
仕事に慣れてしまい、新しいことに挑戦しなくなります。
淡々と一日の業務をこなす。より良いサポート案を提案することは無く、お客さんの課題を解決するだけ。
そんなケースがほとんどです。
仕事が出来ることと、向き不向きは、全くの別物です。
なので、私はヘルプデスクを辞めたいと考える人の気持ちに共感できます。
むしろ、疑問を抱かないことが不思議に思います。
「ヘルプデスクに向いていないのかな・・」
そんな悩みを抱えている方。安心してください。
向上心や好奇心が強く、変化を求めている証拠です。
そもそも、向いている人は少ないですよ。
まとめ
今、ヘルプデスクが辛いと感じている方は、2つの選択肢があります。
向いている人を目指す。
違う環境にチャレンジする。
どちらを選んでも、あなたの人生です。
ですが、どちらかを選ばないと、辛い感情を持ったまま働くことになります。
そのような感情は、一緒に働くメンバーの士気を下げてしまいます。
何より、お客さんにも伝わってしまうものです。
本気でお客さんと向き合えなければ、仕事のやりがいも得られません。
個人的な意見ですが、
「辛い方は、向いている人を目指すよりも、違う環境にチャレンジした方が成功しやすい」
と、私は思います。
ヘルプデスクは、向いている人に必須な「やる気」を維持するのが大変だと思うからです。
ぜひ、ご自身の置かれている環境や感情を大切にし、今後の方向性を考えてみてください。