この記事では【警察官の仕事の本音】を包み隠さずお伝えしています。実体験に基づいた本当のお話ですので、見逃さないようご注意ください。
私の警察官の経歴
私は警察官を2年弱勤めて転職した元警察官です。
主な経歴
- 大卒
- 警察学校半年
- 刑事研修1カ月
- 地域課研修2カ月
- 初任補習科3か月
- 地域課1年
大学卒業後に警察学校を入校し現場での研修を経て地域課で交番に配属になりました。交番勤務では事件、事故の初動捜査を行いました。
被疑者検挙も数回行ったことがありますので、交番の警察官の基本的なお仕事は一通り経験しています。
警察官の仕事の本音。やりがい、良い点
まずは、警察官の仕事の本音として、やりがいや良い点を挙げたいと思います。
ネット上には警察官の仕事の悪いことが多々書かれていますが、良いと思う点も多数あります。詳しく解説していきます。
やりがい1:地域の安全を守っているという自負。住民からの「ありがとう」
警察官の最もやりがい思うのが、地域の安全を守っているという自負ですね。
- 住民同士のケンカ対応
- 人身事故現場での初動
- ホームレスの対応
- 巡回連絡
- 保護活動
- 自転車泥棒対応
- 被害届受理
などなど、現場では様々な仕事を行います。
特に犯罪被害者の方に対して誠実に対応し、刑事の方や他の交番と連携し被疑者検挙をした際は、やった!!というやりがいを感じます。
また、巡回連絡や丁寧な対応を心がけると地域住民から「ありがとう」と言われることが多くあります。
たぶん1週間に数回は言われていたと思います。
警察官は悪い印象を持っている人もいるけれど、ほとんどの人は仕事を理解してくれています。「ありがとう」と言われた時は本当にやりがいを感じましたね。
やりがい2:子どもに大人気
警察官の仕事のやりがいとして最初に挙げられるのが、子どもに大人気だということです。
幼稚園や保育園、小学校へ交通指導などを行う際にはその人気がかなり分かりますw
警察官の制服で行くと囲まれて質問攻めにあいますw
「これなにー?」
「これは無線機だよ。悪い人をみつけたらこれで連絡するんだ」
「これはー?」
「これは手錠で~・・・」
というような会話をします。
また、パトカーで警らしている際にも子どもによく手を振られます。
こういったところもやりがいを感じるところですね。
やりがい3:事件事故がなければ、ゆっくり仕事ができる
警察官の仕事・・・特に交番勤務の場合、仕事の幅が非常に広いです。
落とし物の受理から物損事故、被疑者検挙、未成年者補導などなど多岐にわたります。
しかし、このような地域内で事件、事故が発生しなければ比較的ゆっくりと仕事をすることもできます。
大きな事件、事故がなければ自分のペースで仕事ができるというメリットがあります。
ただ、こういった状況に甘えて仕事をしないと「ダメな奴」というレッテルを貼られてしまいます。
事件、事故がない場合は巡回連絡、職務質問、交通取締りなど自ら動いて仕事をしていく必要があります。
良い点1:世間体が良い
警察官として勤めていると世間体は良いです。
同窓会でも自慢できますし、合コンでもウケはまあまあ良いです。
息子、娘が警察官だと両親も鼻が高いと思います。しっかりした人という印象をもたれやすい職業ですね。
ただ、消防士や県庁職員と比較すると世間体は少々微妙なところがあります。というのも単純に警察が嫌いという人も多くいるため、ぶっちゃけ人を選びます。
良い点2:仕事が安定している
警察官の仕事は極めて安定しています。警察官は都道府県の職員です。そのためクビになるということは、よっぽど起こりえません。
不祥事を起こせば懲戒解雇ということもありますので、そこだけ気を付けて仕事をしていけば良いでしょう。
良い点3:仲間意識が強い。結束力がある
警察官という仕事から民間企業へ移った身として感じるのは、警察は結束力が非常に強いです。いわゆるチームワークです。
警察同士の連携という点では他の民間企業よりも強いと言えます。
警察官の仕事の本音。ストレス、キツさについて
さて、これまで警察官の良い点を説明してきました。次は警察官のストレスやキツさについて解説していきます。
上下関係が厳しい。上司は絶対。
警察官の間では上下関係は絶対です。
- 勤続年数
- 階級
- 年齢
警察官の上下関係は主に上記のような3点で決められます。
警察組織としては、階級や勤続年数が高いほど上の立場です。しかし、警察官も人間ですから、年齢も考えて立場が上か下かを判断する場合もあります。
こういった3点の上下関係があるため現場では結構複雑な人間関係になります。
大卒で入ってきた人は現場の年下の高卒の警察官よりも立場は下になったりしますw良識的な年下の方なら良いのですが、いきなり横柄な態度で接してくる人もいます。こういう点でストレスを感じる人もいます。
また、上司は絶対です。上司が黒と言えば黒です。歯向かうと組織では白い目で見られる上にかなり息苦しい仕事になると思います。
休日出勤、呼び出しが多い。自分と家族を犠牲にする精神が必要
警察官の勤務形態は次の通りです。
- 当直
- 非番
- 休日
という3セットをひたすら繰り返していきます。非番は署によりますが、朝の9時くらいに終わります。そこから翌日まで休日になりますので自由な時間は多いように見えます。
しかし、実際は休日出勤、呼び出しが多々ありかなり激務です。
非番のまま張り込みへいったり、書類の手続きを行うことは日常的です。
呼び出しについても家族と旅行へ行っている際にも普通にあります。子どもとの時間を犠牲にして警察官の仕事を優先しなければいけません。これは警察官という仕事の宿命ですね。
電話は3コール以内に出て、呼び出しには必ず応じなければいけません。
旅行に行きづらい
警察官という仕事は休みの融通が利きにくいです。年次有給休暇の取得もなかなかできません。
旅行が好きな人は向いていないと思います。
市民から厳しい意見を言われることがある
警察官の仕事は被疑者検挙や交通取締りなどです。その特性から、一部の市民から嫌われやすい職業です。
特に交通取締りでは物凄い剣幕で怒ってくる人もいます。ひたすらゴネてくるような方も多くいます。
そういった方に対して毅然とした態度で接する必要があります。
なかなかはっきりとモノを言えない人にとっては大きなストレスとなるでしょう。
反社会的人間を相手にする
警察官は反社会的な人間を相手に仕事をします。詳しくはお話しできませんが、普通の生活をしていれば絶対に接しないような人を相手にする必要があります。
しかも気後れしてはいけないため、毅然とした態度で堂々と接する必要があります。
僕はこれが非常に苦手でしたね・・・。
仕事の責任が重たい
警察官の仕事は責任が非常に重たいです。
書類で不備があれば、有罪になったはずの被疑者が、無罪になってしまう・・・ということもあり得ます。
仕事については、不正をすることなくしっかりと行う必要があります。
書類作成が面倒くさい
警察官の仕事は何につけても書類、書類です。
交通取締りをすれば交通切符作成、事件があれば、被害届、見分、捜査報告書、小さな報告事項は注意報告書などなど様々な書類を作成します。
これは裁判所に提出書類も多く担当するため、すべてきっちりと書く必要があります。
現場にいる時間よりも圧倒的に書類を作成している時間の方が長いと思います。
もちろん、当直で書ききれなかった分は非番で書く必要があります。
柔剣道訓練がつらい
警察官では柔剣道の技術は重要視されます。経験がない方は警察学校でゼロから教わります。
しかし、警察学校を卒業すれば柔剣道の訓練が終わりかというと、そういうわけではありません。
各署にも柔剣道の訓練日があります。
僕の所では週に1度~2度ほどの訓練日がありました。訓練日が非番、又は休日の人は出席するというルールがありました。
特に若い人は訓練にでることを求められます・・・。20代、30代くらいまではみなさん参加していました。
この訓練に非番休日を取られるので休んでいる暇なんてありません。
40代になればある程度訓練はしなくても大丈夫ですが・・・まぁ若い人にとってはかなり先の話ですよねw
命の危険性がある
警察官の仕事の特性として命の危険性があることが挙げられます。
- 被疑者検挙時に暴行を受ける可能性
- 拳銃強奪に巻き込まれる可能性
- いきなりナイスで刺される可能性
- 交通整理の際に事故に遭うリスク
などなど警察官の仕事には常に危険が付きまといます。
今の日本は治安が良いとはいえ、たびたびこのような事件、事故は発生しています。
いつ怪我をしてもおかしくない・・・そんなお仕事です。
しかも、被疑者に暴行を受ける・・・などは一応被害者にはなりますが、職場からは白い目で見られます。
警察官なら被害者になる前に未然に防ぐべきです。毅然とした対応と逮捕術、柔剣道などの活用をして暴行を受けないようにするのが基本です。
ドラマとかアニメでは「公務執行妨害で逮捕する!」とかドヤ顔で言っているシーンがあります。が、本来なら警察官としてダサいシーンです。
公務執行妨害になる前に適切に対応しろよ、というのが警察官としての本音です。
警察官に向いている性格
この記事を読んでいる人はきっと警察官の仕事に興味がある人だと思います。
そんな方のために、元警察官が考える警察官に向いている性格について解説していきたいと思います。
物事をはっきりと言える人
警察官に向いている性格として「物事をはっきりと言える人」というのは重要なポイントです。
- 職務質問時
- 被疑者検挙時
- 交通切符対応時
などなど、ダメなことはダメ、言わなければいけないことははっきりと言える人、というのは重要です。
警察官になる前にこのようにはっきりとモノが言えない人でも慣れてくればある程度対応できます。
まずいのは、本当にしゃべることすら苦手でオドオドしてしまうような方は苦労すると思います。
規則を守れる人
警察官として規則を守れるというのは極めて重要です。
警察官は法律に従って仕事をします。そのため、各自の判断で勝手に仕事を進めてはいけません。
手順や方法には絶対従うべきです。もし手順を抜かしたり、違う方法で処理をすると後々問題になる場合があります。
例えば証拠の取り方を誤ると裁判で証拠として認められないケースがあります。
そうなると本来裁かれるべき人が裁かれなくなってしまう・・・ということも起こりえます。
個人主義よりも全体主義の人
警察官は個人ではなくチームで動きます。チームワークを重視できる方が良いでしょう。
また、自分の意見よりも上司の意見が絶対であるため、ある程度自分の意見を伏せることができる人は良いと思います。